『非常通信プロジェクト』始動とWAVOC(早稲田ボランティアセンター)支援サークルに!
~注意~ この記事は当会の公式発表です。[1]
『非常通信プロジェクト』始動
- 無線通信研究会はWAVOC所属サークルになりました
- 災害時の「非常通信」に特化した活動をはじめます
- 「無線ボランティア」の社会定着を目標に活動します
~概要~
2023年4月1日より早稲田大学無線通信研究会(以後、当会)は早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター[2](以後、WAVOC:ワボック)の支援ボランティアサークルとしても活動を行い、学内外におけるアマチュア無線を活用した災害時の通信インフラ構築と『無線ボランティア』の社会定着を軸とした活動を展開します。
~背景~
アマチュア無線には『非常通信』と呼ばれる災害時等の非常の事態において通信することが認められています。(電波法五十二条四)
非常通信(地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、有線通信を利用することができないか又はこれを利用することが著しく困難であるときに人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために行われる無線通信をいう。)
そして国内外のアマチュア無線家が重要なインフラである通信を非常時に確保し人々の暮らしや安全を守った実績があります。(東日本大震災・阪神淡路大震災など)
しかし、その中でいくつかの課題も見えてきました。
- 知名度の低さ
- 人材的課題
- 技術的課題
通信は物流や公衆衛生と同等に重要ですが、有事に民間が関与する意識が低く、より多くの方に「非常通信」について知ってもらう必要があります。
また日本には30万局のアマチュア無線局があり同程度の無線家がいるはずですが、我々ハムが有事に対応できるかについては課題が残ります。
さらに現在、「非常通信」においても音声による情報伝達がメインですが、緊迫した状況下ではミスが命取りになります。
~活動方針~
WAVOC支援サークルとして
- アマチュア無線におけるデータ通信を基本とした技術開発をすすめます。
- 開発した技術をもとに大学のキャンパス間での実用化をすすめます。
- 災害・減災の専門家と協力しながら、有事に求められる無線家の役割を研究します。
- 有事において無線家が「無線ボランティア」になる、または無線家が「無線ボランティア」として頼られるように概念の社会定着を図ります。
~経緯~
昨年度、災害時にアマチュア無線を活用することを目的とする『香川大学学生総合防災無線局』(@JR5YFW)に所属されていた方が、早大に入学する機会に当会へ入会くださったことが始まりでした。無線資格試験などでは耳にすることはあっても、実際にどのように"無線で"社会貢献ができるか知識不足でした。そこで国内外の状況の調査研究を始め、海外で主流である災害時のデータ通信を国内に導入させることが可能ではないかと感じ活動をはじめました。
~備考~
[1] 本日は4/1(エイプリールフール)ではございますが、本件は当会の正式な公式発表です。
[2] WAVOCとは
早稲田大学の"準"学部/学術院的な立ち位置にある学生による"ボランティア"を目的とした組織。早稲田キャンパス99号館をベースにボランティア関連講座の開講や学生のボランティア活動を支援しています。
~最後に~
国内における携帯電話各社の災害時における復旧度合や海外のStarlinkはじめ、なぜ今さらアマチュア無線なのか、という疑問はあると思われます。しかし、アマチュア無線の非常通信を米国では以下のように表現しています。
Amateur radio provides a means of communication "when all else fails".
→アマチュア無線は「他の全てが失敗したとき」の通信手段である
また先日、WAVOCの先生方とのミーティングでもこのような発言がありました。
「非常時こそ基本に立ち返る必要がある」
このように高度に情報化された現代だからこそ、本当に動作する必要があるときに必ず動くシステム作りが必要であり、アマチュア無線は通信の基礎をやっているからこそ有事に威力を発揮すると当会は考えています。
当会は「通信の最後の砦」として活動していくことをここに決意します。