JH1YDT 早稲田大学無線通信研究会

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RS-BA1を利用したリモート運用!

Hello CQ!

みなさんこんにちは。会長のJH1DWQです。このたび社団局のリモート局開設にチャレンジしましたのでご報告したいと思います。

  

【準備】

・RS-BA1(ICOMの遠隔操作用ソフト)

・PC2台(サーバー用とクライアント用)

インターフェイス(リグ制御用)

・音声入出力ケーブル(受信音、送信音の通信用)

・IC-7000(リグ)

 

完全に私の趣味でICOMのリグを使用したリモート局を構築します。今回使うIC-7000は背面にREMOTEジャックがあり、ここにPCを接続して制御しますがインターフェイスが必要です。ICOMから専用インターフェイスとして「CT-17」が発売されているのですが、なんと新品価格で1万円超え……。ヤフオク等で検索しても7000円近くするので自作することにしました。

 

参考にしたページがこちら → 

ICOM CI-Vを考える ( その他趣味 ) - JH1LMD - Yahoo!ブログ

 

CT-17はPC側にRS-232Cポートが必要ですが(ちょっと時代を感じますね)、自作品はUSB接続が可能です。また、電源もUSBから給電できるので扱いやすいものができました。今回のリモート運用以外にも、Ctestwinなどのログソフトにおけるリグ制御でも使用できるので非常に便利です!ICOMユーザーは1つもっておくと良いかもしれません。

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自作インターフェイス(不器用なので工作精度は悪いです……)

ちなみに、IC-7300など新しい機種はUSBで直接接続できるらしいです。お高いリグはサーバー機能まで搭載しているとか……。

 

音声入出力ケーブルは他のリグでも使えるよう、8PINのマイクコネクターを使用して受信音の出力と送信音の入力を行えるよう自作しました。リグのマイク端子に8Vが印加されているそうなので、電解コンデンサーを挟んであります(取説参照)。残念ながら、IC-7000はこのケーブルで受信音のPCへの入力ができないので、別途スピーカー端子からライン入力へ入れてあげます。上等なものではありませんが、「使えればいい」の精神で。

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自作音声入出力ケーブル


用意したこれらでPCとリグを接続すればとりあえず準備は完了です。

 

【接続確認】

サーバーとして使用するPCでまずは制御できるかチェックします。RS-BA1は「Remote Utility」と「Remote Control」という2つのソフトから成り立っていて、Utilityのほうで無線機との接続、サーバー設定などを行い、Controlのほうで操作をします。

 

まずはRemote Utilityで「サーバー設定→無線機一覧→追加」と選び、接続するリグの情報を設定します。設定内容はリグの取扱説明書に書いてありますのでその通りに設定します。COMポートはインターフェイスを挿しているポートを選び、音声の入出力ポートを設定して終了です。リモート用に「公開する」という項目にチェックを入れておきます。

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接続設定1

「無線機運用」タブに移ると先ほど設定したリグが表示されているので、それを選択し「接続」を押します。問題が無ければ無線機名の下に「〈接続中〉」と表示が出ます。

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接続設定2(別に登録したIC7400もあります)

 

つぎにRemote Controlの設定です。「Connect Set」を開き、制御したいリグを設定していきます。

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接続設定3

接続完了したら、「Connect」を押しすべての設定が正しければ無事に制御できるようになります。インターフェイスがしっかり組みあがっているのか不安でしたが、無事に接続できました!ここでとりあえずの感動です。

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接続完了

 

【申請】 

リモート局を開設するにあたり、総通に申請を出します。デジタルモードをやろうとすると電波形式云々、機械が云々と非常に面倒ですが、リモート局の場合は非常に簡単でした。

まず書類を作成します。これはICOMのホームページからダウンロードできるのでこれを使います。内容の例もあるので個人局の場合はそっくり同じで申請できると思いますが、社団局用のものが無いので少し変更を加えます。

 

書類ダウンロード→

http://www.icom.co.jp/products/amateur/products/option/rs-ba1/data/RS-BA1_ApplicationExample.pdf

JARL遠隔操作指針→

- 遠隔操作指針 -

 

JARLの遠隔操作指針を見ますと、社団局の場合は「構成員が送信所で監視を行うこと」とあります。この内容を書類の(4)に書き込みます。また、たとえば50W機を登録する場合、「操作できるのは3アマ以上に限る」という限定をつけます。

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用意した書類

この書類を添付して電子申請を行い、無事に審査が終了しました。

 

【サーバー側設定】

次にサーバー側の設定を行います。一番面倒な作業はポート開放ですが、マイクラのマルチ用サーバーを構築するときにいろいろ調べていたのが役立ちました。ポート開放については様々説明しているページがありますので省きますが、「ルーター」と「PC(firewall)」の設定が必要です。特にソフト側を変更しなければ、50001〜50003(UDP)ポートを開放してください。

Utilityの設定ですが、ほぼ操作確認のときに終了しています。「サーバー設定→ユーザー登録」と進み、リモートでアクセスするためのユーザー登録をするだけです。ユーザーIDとパスワードを設定すれば登録できます。

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JH1YDTというユーザーを管理者として登録しました



【クライアント側設定】

 クライアント側PCにもRS-BA1をインストールします。

Utilityを開き、「無線機運用→サーバー一覧→追加」と選んで先ほど設定したサーバー情報を打ち込みます。サーバーアドレスにはグローバルIPアドレスを、ユーザーIDとパスワードは登録したものを使います。

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クライアント側設定

登録できたら接続し、無事に完了すれば「無線機一覧」にサーバーに繋がっている無線機名がでてきます。あとは接続確認のときと同じように無線機に接続してRemote Controlで操作できます。

 

以上でリモート局の設定は終了です。音量の設定など細かなものは各自の環境に合わせて調節すれば完成です。まだ交信テストは行っていませんが、大学からのリモート接続には成功しました。これで大学に設備の無い我々JH1YDTも気軽に集まって運用できます!学校社団でリモートを構築しているのは珍しいのでは……?

 

なお、今回ご紹介した方法はあくまで一例であり、サーバー設定も様々あるようです。参考にしていただける場合は、あくまで自己責任でお願いいたします。

 

拙いまとめでしたが、最後までお読みいただきありがとうございました!リモート局を使った交信で皆様と交信できる日を楽しみにしております!

 

JH1DWQ